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胃カメラ(胃内視鏡)の本音

今回は、僕の胃カメラ(胃内視鏡)に対する本音を一般の方に向けて記載します。

 

結論から申し上げますと、胃・大腸カメラ(大腸内視鏡)は患者さんが、我慢する検査ではありません。

 

胃カメラ(胃内視鏡)(上部消化管内視鏡とほぼ同義)とは口(鼻)から先端にCCDカメラを搭載したファイバーを挿入し、主に、食道・胃・十二指腸をくわしく診る検査です。胃のバリウム検査よりも圧倒的に病変検出精度が高く確実な検査です。

1952年に実用化され、1985年に現在の先端にCCDを組み込んだビデオスコープとなりました。2002年からは画像もハイビジョン対応となり、より細かな、そして早期の病変も検出することができる時代が到来。

日本人の胃カメラ(胃内視鏡)の一番の目的は胃癌の発見、といっても過言はないでしょう。近年減少傾向にある胃癌ですが、欧米諸国に比べ日本は発生頻度が依然高く、注目し続けなければならない疾患です。胃癌の原因は一般に高塩分食やピロリ菌といわれています。諸説ありますが、冷蔵庫が普及し、塩漬けの食べ物が減り、高塩分食の食生活が改善されたことや、ピロリ菌の啓蒙や保険適応の拡大により除菌治療が積極的に行われるようになったことなどが胃癌減少に寄与していると考えられます。

 

しかしながら、不幸にも胃癌に罹患してしまう方が存在することは、まぎれもない事実です。

すこしでも体に不調を感じたら胃カメラ(胃内視鏡)を受けることによって、ピロリ菌が存在すれば除菌することで予防ができますし、また早期発見であれば内視鏡で治療が完遂します。

単刀直入に言うと、がん保険に入るくらいでしたら、早期発見、早期予防のために胃カメラ(胃内視鏡)を受けましょう。人生100年時代、予防に勝るほどのがん保険は存在しません。大腸カメラ(大腸内視鏡)や腹部超音波も同様です。

胃癌のほかにも、

食道の病気であれば、食道癌、GIST、逆流性食道炎、食道裂孔ヘルニア、アカラシア、好酸球性食道炎、食道静脈瘤、良性腫瘍の発見。

胃の病気は、萎縮性胃炎(ピロリ菌感染)、胃潰瘍、胃リンパ腫、クローン病、GIST、胃静脈瘤、良性腫瘍等の発見、診断につながります。

みぞおちが痛い、おなかがいたい、飲み込みにくい、悪心(気持ち悪い)、嘔吐、胸やけがする、食欲がない、体重減少がある、貧血がある等の症状は早めに胃カメラ(胃内視鏡)をおすすめします。

 

しかしながら胃カメラ(胃内視鏡)は一般につらい検査、というイメージがどうしても先行しています。そして検査をためらってしまう方が多くいらっしゃることもまた事実。これを僕は真っ向から全否定します。

胃カメラ(胃内視鏡)はつらい検査ではない!

つらいことが常識となってしまっている検査イメージの原因としては、嘔吐反射が伴う(舌根を圧迫されることでオエッー、となってしまう)、というのが第一の理由かと考えられます。

特に若い方がお年寄りよりも敏感で、嘔吐反射が強いイメージがあります。僕も胃カメラ(胃内視鏡)をほぼ毎年受けているのですが、正直、非常にしんどいです。嘔吐反射が非常に強いです。途中でやめて欲しい、と何度も思ったことがあります。大腸カメラ(大腸内視鏡)も毎年受けていますが、嘔吐反射がない分、圧倒的に楽です。

楽な胃カメラ(胃内視鏡)≒嘔吐反射軽減。僕が考える、このための秘策とは?

消化器専門医として胃カメラ(胃内視鏡)を、10年以上施行していますが、とくに、開業を決断するこの1年間、内視鏡専門クリニックでの定期勤務や、検診専門クリニックでスポット的に勤務しました。約20のさまざまな規模、形態の内視鏡専門施設でカメラ(胃・大腸)を施行。様々なクリニック、施設の価値観に触れたくて施設見学も兼ね、学生時代の武者修行の気概でした。都心のど真ん中のクリニックから東京近郊のクリニック、また近隣の千葉県、神奈川県でも数多くの内視鏡検査を特にこの1年間で集中して施行。

経鼻主体であったり、経口メインであったり、沈静(麻酔)の有無、麻酔の薬は何を使用しているか?また、麻酔から覚ます薬は何を使用しているか、検査後に休むリカバリーベッドが充実しているかどうか、内視鏡室の広さは、内視鏡洗浄の方法は、シンクのスペースはどれくらいか、使用している内視鏡システムは何か?患者さんは快適な導線でカメラを受けることができるか、スタッフとの最適なチームワーク連携における人員の適材適所の配置、およびその最適解は?等を十分に比較・検討し、持ち帰って分析を行うことを繰り返してきました。

多くの施設の『型』を集中的に経験し(2019年8月は複数施設で月100件、胃カメラ(胃内視鏡)を施行!もちろん大腸カメラ(大腸内視鏡)も数多く施行しています)、比較検討するなかで、楽な胃カメラ(胃内視鏡)には検査医側の因子と患者側の因子の2つの秘策がある、という結論に至りました。

一つ目は熟練した検査医が想いやりを持って、丁寧に行うこと。当たり前のことかもしれませんが、これが非常に重要。

施行医のテクニックとしては、挿入時に舌根を刺激しないこと、咽頭を一番つらくないルートで的確に進入し、食道に入ること、観察時は送気を適度に調整し、腹部膨満感を与えないことなど。そして、限られた時間内に手早く、施行しどんな早期がんも見逃さない、という気概で検査をすること。患者さんにとって、この検査は決して楽な検査ではない、ということを心から理解して、想いやりを常に心がけること。検査前の段階からしっかりと真摯に説明し、不安を取り除いてあげることも重要。さらにカメラを介助する看護師さんや技師さんの力量、想いやりも非常に重要であり、一緒に協力して少しでも負担のない検査にする。

 

二つ目は鎮静(麻酔、眠ってもらう)です。

どんなに医師が優しく施行したとしても嘔吐反射の強い方は必ずいらっしゃいます。鎮静をしてあげることによって緊張や不安がなくなり、より楽に受けることができます。反射が強いとカメラの精度が不正確になってしまうこともあるかもしれません。特に20代~40代の若い方はそのような傾向があるような気がします。そして初回につらい経験をすると、その後も継続して定期検査を受けることが心理的に難しくなると思います。基本的に初回検査の方は沈静での検査をおすすめします。圧倒的に楽です。常識が変わります。

近年、経鼻カメラも普及してきており、経口ルートではなく、鼻から舌根を刺激しない形で食道・胃・十二指腸に到達する方法があります。胃カメラ(胃内視鏡)よりも搭載カメラの検査精度、解像度がやや劣るなど、賛否両論があると思いますが、当院では経鼻カメラも、施行しています。鎮静あり、なしの2種類、経口か経鼻かの2種類の合計4通りの方法で、高品質の胃カメラ(胃内視鏡)を実施しています。

 

まとめると、

当院の胃カメラ(胃内視鏡)の特徴

・想いやりの心

・お腹の張りにくい二酸化炭素送気

・安心で安全な鎮静(麻酔)検査

・高解像度の最新機種かつ、拡大内視鏡で早期の病変も検出

 

カメラ(胃カメラ(胃内視鏡)・大腸カメラ(大腸内視鏡))はつらい検査である、という常識を非常識に。

カメラは楽な検査である、という常識の創造。

これが僕の開業目的の1つです。

 

 

『せたがや内科・消化器クリニック』は想いやりのある胃カメラ(胃内視鏡)を常に心がけています。

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