開業準備には勤務医の時には想像もできないほどの、多くの意思決定が必要となります。
一般の方、医療関係者のみなさまが知りたい、開業準備の実際、僕がどんなビジョンを描き、そのためにどのようなプランを練り、どう実行しているか。そして『いま』何を考えていて、何をしているのか、を何回かに分けて書きます。
『開業するということは起業するということ』
これが僕が開業する理由です。まず、ここを意識することが非常に重要です。というか、これがすべて、といっても過言ではありません。僕は起業したい、と強く覚悟し、開業します。自分が何をしたいのか、何のために開業するのか、開業して何をしたいのか、というところを始発としてコンセプト(理念)を決めます。土台作りがすべての出発点で最重要。
これから起こりうることに対して、一切の妥協をしない、というブレない気持ちで、スタートラインに立てるかどうか。僕は師から手術を通して『折れない心』を学びましたが、これは覚悟を決めたとき、手術だけでなく万物に共通することだと最近、気がつきました。(恥ずかしいですけど、ちょっと、悟った感じですね)
すこし精神論を語りましたが、具体的に説明していきます。
走る目標を決めると同時に、診療圏調査(人口構造、立地、需給バランス、ニーズなど)に基づいた場所の選定から事業計画を策定し、必要な資金計画を練りこみます。
主に郊外型にみられるように土地を購入し、建物を建設するのか、賃貸としてビル診で診療を開始するのか。僕の場合は7階建ての新築クリニックモールに入居し、他階の診療科の医師と協力して診療する体制です。
コンセプトにあわせたクリニック内装を熟考し、同時にわかりやすく訴求性の高いホームページの作成。もちろん、こうして周知していただくために開院前からプレホームページも重要です。今、開業前にこの時点で皆さまがご覧になっているこのページはプレHPです。
IoT時代の昨今、ホームページ会社は巷に数多く存在します。そして医療専門のホームページ会社も多数存在します。僕は、コンサルトや先輩開業医の紹介、口コミなどからホームページ会社を複数社、合計7社ほど比較検討しました。トータルすると3ヵ月間くらいかけて、各会社に足を運んだりしながら、実際にヒアリングし、選定をすすめました。その会社のホームページに対するコンセプト、仕事の速さ、価格(良心価格から、びっくり価格までありました!)、契約の方法、クラウド型か否か、デザイン感、実績、その会社で働く人の柔軟性や情熱等。
僕はホームページなんて、もちろん作ったことも、作成依頼したこともありません。知識もノウハウも当然ゼロなわけですから、とても悩みました。しかしながら、このHP会社の営業担当の方がHP=『お家』と表現して教えてくれたのが大きかったです。その方の仕事に対する熱量とともに、この言葉が悩ましい僕の心に響いて刺さりました。ホームページはWeb上での『家』。日本語に訳すとさらに納得です。仮想現実として僕が住みたい『家』、そしてお客さん(患者さん)を招待したい『家』をともに設計してくれるパートナーがうまく見つかったのです。
少し長くなりましたので、続きは次回。
『せたがや内科・消化器クリニック』はすべてにこだわりを持ち、鋭意開業準備中!