9月の連休の帰省中、小樽への小旅行。実家から電車で1時間弱。石狩湾に面した港湾都市。新鮮な海鮮料理、お寿司、ガラス工芸やオルゴールや小樽運河が有名。小樽へ向かう電車の車窓は日本海最前列です。点在する寂びれた石狩湾の小さな集落。幼少期の頃から、海の見えるこの風景が大好きで、電車は必ず海側に座っていました。
大学時代、僕は空手部でしたが、毎年6月には小樽、竜宮神社の例大祭で演武をさせていただいておりました。なじみ深く、かつ大切な思い出の詰まった街でもあります。旅の目的は尊敬する竜宮神社の宮司さんに会うこと、会って直接、開業を報告すること。また、大学時代の同級生と再会すること。今回、勤務医を辞して開業する局面で、なぜか、この2人には必ず会って直接報告したい、という強い気持ちを感じ、約10年ぶりに小樽に行くことを決めました。
小樽駅で下車して、駅前の広場を左手に曲がり、目的地までは三角市場の横を抜けて歩きますが、本日は市場に立ち寄りました。
市場で小樽ならではの海の幸を発見。八角は正式名称はカサゴ目トクビレ科『トクビレ』という高級魚です。断面が八角形をしているので俗称として八角と呼ばれ、主に冬が旬の魚です。白身でコクがあり、まろやかな味。刺身やお寿司は格別です。札幌市内では割烹料理店などでは、比較的容易に食べることができますが、東京で提供している店は見たことがありません。
駅から少し歩くと坂が多いことに気づきます。小樽は坂の街でもあります。坂の上から見ればどこからでも海のある風景が眼下に広がります。
僕の大学時代の思い出の地、竜宮神社に到着。その荘厳な佇まいに引き締まる思い。
宮司さんに温かく迎えていただき、再会に感激。せたがや内科・消化器クリニックのご祈祷もしていただきました。また竜宮神社自身の先見の明のある壮大な構想をお聞きし、さらに感動しました。
虎の門で医の修業をし、竜宮神社で龍の御加護。これはまさに文字通り、『虎』と『龍』の力をお借りして新規開業することである、と強く自分に言い聞かせました。
その後、小樽で勤務している空手部時代の戦友と合流。小樽水天宮までの急な上り坂ときつい段差の階段を再会の嬉しさで、全く苦にもならずに終始しゃべり続けながら、山頂まで登り切りました。ここからの景色は圧巻です。石狩湾や遠くの山々までもがぐるり、と一望。
卒業して15年たった今でも、当時の熱い気持ちは不変であるし、まったく風化していなく、むしろ年を重ねた経験で洗練されていることを2人の共通言語で確認。それぞれのフィールドでただひたすら、真っすぐ前を向いて進む。今は進んだ先に何があるかわからないけれども、その先には目指すものがしっかりとある。15年前のヨーロッパ、大雪のまだ朝日が昇る前の早朝のあの日、僕たち2人に指南された言葉、『Go straight on, strait on, strait on!』。
青春時代に抱いていた、この世界の本質を知りたい、という気持ちは今もここに生きているお互いにとって揺るぎないものであることを確かめ合いました。自信を胸に刻み、またの再会を熱く誓い、後ろ髪を強くひかれる思いでしたが、別れ際に僕はあえて振り向かず、また新たな一歩を踏み出したのです。
新たに創造される『せたがや内科・消化器クリニック』は『虎』と『龍』にルーツを持ちます!