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大腸がん

自称、大腸がんコンシェルジュ。

虎の門病院で消化器外科医として、特に大腸がん専門として従事してきた僕が、大腸がん治療の要点をかみ砕いてわかりやすく説明します。今回は総論編です。

①大腸がんとは

大腸がんとは大腸にできる悪性腫瘍のことを指します。大腸とは結腸(盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸)と直腸から構成されています。

大腸がんの日本人の好発部位はS状結腸と直腸で、ライフスタイルの欧米化などから近年増加傾向にあり、今後も長期的にこのトレンドは継続すると予想されています。

罹患率(大腸癌になる率)は、40歳代から増加し、高齢になればなるほどほど上昇します。(ですので世田谷区をはじめ、各自治体で40歳以上で大腸がん検診が推奨され、公費負担となっています)

②症状

主な症状は血便、便秘、下痢、悪心、嘔吐などの腸閉塞症状、腹痛等、多彩な腹部の症状を呈しますが、血便や検診の便潜血陽性が圧倒的に多いです。しかしながら、早期の場合では症状がほとんどないので便潜血が陰性でも40歳以上であれば大腸カメラ(大腸内視鏡)による検診を個人的には強く推奨します。(僕は30代半ばからほぼ毎年大腸カメラ(大腸内視鏡)を受けています。)

③原因

大腸がんの成因としては、腸管の正常粘膜から発生するものと、良性ポリープである腺腫から多段階的に発がんするもの、が考えられています。クローン病や潰瘍性大腸炎が大腸がんのハイリスクであることは周知でしたが、近年さらに家族性大腸腺腫症、リンチ症候群が大腸がんの発生因子として遺伝子レベルで注目されてきています。

大腸がんの予防として、ポリープ(ここでは腺腫とします)の早期発見、早期切除が非常に重要となってきます。アメリカでは近年、進行大腸癌が減少傾向にある、という報告があります。これは大腸カメラ(大腸内視鏡)が広く普及してきていることのみならず、内視鏡スコープのハイビジョン化やポリープ切除の技術の向上などからポリープの発見率、切除率が大幅に改善したことが寄与している、とされています。

④治療法

大腸がんの治療には病変の進行度に応じて、エビデンスのあるもの、つまり、統計学的に治療実績があるとされている治療法として内視鏡治療、外科手術、化学療法、または放射線化学療法があります。

たとえ、がんが発見されたとしても、比較的早期の段階であればEMR(Endoscopic mucosal resection:内視鏡的粘膜切除術)、ESD(Endoscopic submucosal dissection:内視鏡的粘膜下層剥離術)といった内視鏡的な切除で病変の完治を目指すことが可能です。

しかしながら、進行大腸がんで発見されることも多々あるのが現実です。そのような場合は外科手術となりますが、手術の方法としては開腹手術、腹腔鏡手術、ロボット手術があります。それぞれにメリット、デメリットがありますが、僕個人の見解では今の時点では(2019年)腹腔鏡手術を推奨します。少し長くなりましたので、その理由は大腸がん腹腔鏡手術のブログで熱く語ります。

 

参考文献:消化器疾患最新の治療2019-2020(大腸癌-進行直腸癌) 南江堂 富沢賢治

 

世田谷区の大腸がん検診は大腸がんコンシェルジュの『せたがや内科・消化器クリニック』富沢まで!

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