帰省中の札幌の様子です。
実家から快速電車で約15分というアクセスの良さ。高校3年と大学6年の合計9年間、主にJRに乗り通学。豊平川の橋を渡る瞬間に視界が一瞬大きくひらけて、テレビ塔や大倉山が見える車窓からのこの風景が好きでした。
本日は曇天の昼前でしたが、この場所から見る札幌は朝日で輝いていたり、夜景で美しく彩られていたりと、1日に何度もその顔色を変えます。また天候によっても、季節によっても違う情景を見せてくれます。夏は花火大会の一等席、秋は豊平川に遡上する鮭、冬は白銀で彩られた世界が見えます。いつもこの札幌が一望して見える、進行方向、むかって左側に乗るようにしていました。
久々の札幌市街。大通公園では2008年から開催されている、オータムフェストの真っ最中。例えるならば、涼しく快適な気候で、日比谷公園や駒沢公園の5倍以上のフェス店舗が集結したようなイベント規模です。
また、テレビ塔の展望台に階段で挑戦。
エレベーターでは昇ったことがありますが、階段は人生初です。体力には自信がありますが、スケルトン状態での高層の景色や、時折吹きつける強い風にややビビりました。上から降りてくる人たちから激励の言葉をいただきながら頂上まで完投。途中で係員さんからのジュースの差し入れもありました。階段でのテレビ塔制覇、ぜひおすすめです。バンジージャンプもできます。
15年ぶりくらいでしょうか、展望台からこの有名な街並みの景色。
今の僕には以前見ていた景色とは、すこし違って映りました。街も僕もお互いに年を重ねましたが、札幌にいたあの頃は、居住者として、学生として、空手の修行者として、マクドナルドをはじめとする数多くの仕事の労働者としての立場で、住んでいる街ぐらいの実感しかありませんでした。当時は忙しく過ぎゆく、日常の中でじっくり街並みに向かい合う必要はなかったし、俯瞰して眺める余裕もなかったと思います。
山々と澄んだ空気に囲まれ、近代的な建物と自然がうまく調和した息を飲むほどに美しい街並み。今は強くそう感じます。もう北海道には住んでいない、ので旅行者あるいは公平な傍観者としての視点があるのでしょうか。居住者ではなく、旅人として、僕に流れている時間や、僕が切り取って見て解釈している風景が明かに以前と異なって見えているのです。とまぁ、シュールな気持ちになりました。
下りは階段ではなく、エレベーターを利用しました。そんなことを考えながら風景を眺めているとエレベーターガールの方が、美しい日本語で四季折々のイベントの紹介アナウンス。最後に『またのお越しをお待ちしております、どうぞ気をつけていってらっしゃいませ』の一文。何気ない言葉なのでしょうが、今の僕にとっては最大のはなむけ。おそらく、しっかりと軌道に乗るまでは、しばらく、この美しい札幌に戻ってこれないでしょう。勤務医を辞して開業医となるこの局面で粋な計らいで、かつ激励のような啓示に聞こえました。
さて、休憩のため、僕の接客業の原点である、マクドナルド札幌アピア店を久々に訪問。店の外まで大行列!!
昼ピークだからしょうがないのかな。中をのぞいてみると、店内は逆に、やや空席が目立ちます。しかし厨房は回っている様子。なのにこの行例はおかしいぞ、と行列に並んで進んでみてみると、カウンターPOSが1台しか稼働していません。
他の2台はどうした?ピーク時間帯なのに明らかなに人が足りていない。3連休の中日の昼ピークの人員配置を読み誤ったのか、はたまた、クルーが突如欠席したか、休憩時間の出し方を間違ったのか。さらに、司令塔のフロコンは1人しかいない。その重要なフロコンマネージャーはフロアーにこぼれた氷入りのドリンクを清掃することに一生懸命。前を向いていない。そうか、これが原因か。この時間であればマネージャークラスは2人欲しいところ。
僕が今もマクドナルドののマネージャーだったら、すぐにPOSを1台あけて、ある程度オーダーをとって、客足を流し、ストックをあげてクルーを鼓舞しながら厨房を手伝い、フロアーに出ていく。テイクアウトよりもイートインの多い時間帯の客層が予想されるので、時間差で客席は必然的に満席状態になるから、トレー下げは紳士的にさせていただく。そしてサンキューボックスを整理してカウンターにまた戻る。これがこの状況下での最適解であるとシュミレーションしていました。
店内の導線は当時僕がマネージャーだったころの18年前と少し変わっていますが、今でも昼ピーク無双できるぞ!と思いながら各ポジションを懐かしく眺めていました。他の店舗は勝手が違いますが、ホームのアピア店は、今でもある程度診て、個人の力量、その時間帯のチームワーク、マネージャーの力、客数、客単価、売れ筋商品、売り上げが大体予測できました。まだ衰えていない!
コーヒーをオーダーし、店内導線が一目で把握できる、昔からのお気に入りの場所でひと休み。出退勤するクルーや、変わらないフロアータイル、以前と変わった壁や椅子、POPなどを感慨深く眺めていました。クローズ業務でのフロアーのモップ掛けはなぜか好きだったし、夜通しメンテナンスしたこともあったなぁ。シェイクマシーンの分解洗浄は本当に大変だったことなどが一気に鮮明によみがえってきました。
帰り際にカウンターをのぞいてみると、3台しっかり可動。人員も増えており適所に配備され、かつみんな前を向けており、その結果長蛇の列も解消。老婆心ながら安心しました。
『せたがや内科・消化器クリニック』院長は大きな視点から物事をとらえるように心がけています!