東京都の緊急事態宣言が解除されましたが、依然として気を緩めてはいけない状況です。
コロナウイルスの真の終息はまだまだ先のことで第2波、続く第3波は確実に近い将来確実に到来します。
今回は、これまでのオンライン診療についての個人的な感想を記載します。
当院ではオンライン診療の初診を4月の厚生労働省からの通達後、すぐに(通達翌日から)導入致しました。
COVID-19により初診からオンライン診療が時限的、特例的に可能となったのはこの4月からです。
それ以前は実際に、クリニックで診療を受けたことのある患者さんを対象とした再診のみオンライン診療が可能という国からの運用でした。
当クリニックでは、この約1か月半の間に100名超のオンライン診療(電話初診を含む)を施行してきました。
当初は、問い合わせの電話が殺到状態でしたが、5月の連休明け頃からは新型コロナウイルス感染症率の低下ともに、
オンライン診療の需要が減ってきている肌感覚です。
この減少傾向は、感染率の低下を示唆するだけではありません。
色々な要因が考察されますが、後日、より推敲して記載します。
これまでのオンライン診療の主な内訳としては、
①慢性疾患(高血圧、高脂血症、逆流性食道炎、花粉症などなど)の継続処方
②新型コロナウイルス感染症の相談
主に上記の2パターン。
①は特に効果的と考えます。
例えば、大病院で高血圧の薬を定期的に継続処方されている高齢者。
このような方にとっては交通機関を使わなくてよいこと、密の院内の待合で感染するかもしれないリスクにさらされるかもしれない、ということを避けることができる、などメリットが多々あります。
コントロール良好な慢性疾患であれば、これは高齢者のみではなく、全世代に有効と考えます。
②の新型コロナウイルスの動線はまだまだです。結局のところ、疑わしい症状の方はPCR実施施設への受診指示となり、
診療というよりも、相談の範疇内、というのが現状です。
自宅唾液検査キットや、有効な治療薬が開発されなければ、本当の意味でのコロナ感染症に対するオンライン診療とならないと思います。
有効な診断が整備され特効薬が開発されれば、在宅でオンラインで診断から処方、服薬まで可能になるので、非常に強いツールとなりえます。(切に願っています)
さらに、コロナ相談意外にも胃腸の不調や頭痛、腹痛などを1ヶ月半ほぼ毎日、施行してきて浮き上がってきた欠点があります。
一般的にオンライン診療は、問診と制限のある視診のみとなり、聴診、触診など、診察スキルの重要な部分がどうしても欠落してしまいます。腹痛患者ならば腹部触診は必須ですし、疾患の重症度によってはレントゲン、腹部エコー、採血が必要となります。
上記の理由などにより急性期疾患では対面診察よりも難易度が高く、その割には診療報酬が見合わない(コストが高い)といった問題点も。。。
色々とあるわけですが、オンライン診療初診の第一ラウンドがひとまず、終了したと判断します。
的確に対面診療と使い分けて、次の波に備えてこれからのオンライン診療(相談ではない)を練り上げなくてはなりません。
これからの真価が問われます。
鋭意アップデート中です。