表記の通り、大腸憩室症の本を執筆致しました。
一般の方ではなく、外科医向けに書きました手術の教本になります。
今年の第1作目になります。他にもあと2論文、大腸憩室症について執筆しました。
残りの2作は夏頃に刊行予定です。
大腸に起こる病気で大腸がんの本は多数存在しますが、大腸憩室の教科書はほとんど存在していませんでした。
今回の経緯と致しましては出版社、編集委員の大学教授からの依頼がありました。特にS状結腸憩室が増悪し、手術が必要となった場合について詳細に記載。
今後増加が予測される大腸憩室。
さらにS状結腸憩室による合併症としての憩室炎、S状結腸膀胱ろう(膀胱と大腸がつながってしまう病態)。
手術書としては本邦初になります。
外科医向けですが、僕の実際に腹腔鏡手術をしている手術動画も閲覧できるようにしております。
本文から内容を抜粋した、魂のあとがきをご覧ください。
Column 『私の経験、こだわり』
筆者らはこれまでS状結腸憩室炎による腹腔鏡手術の有用性を多数報告してきた。憩室炎は食生活の欧米化や高齢化などにより今後も増加が予想されるため、必然的にS状結腸膀胱瘻の頻度も増加してくるであろう。
しかしながら手術手順は確立されておらず、特に膀胱側のマネジメントに関しては膀胱部分切除や縫合閉鎖等を推奨する報告なども散見される。本文中でも記載したが、憩室炎によるS状結腸膀胱瘻は膿瘍腔が必ず膀胱側とS状結腸の間に存在する。この間を切離(開放)することが膀胱損傷やS状結腸損傷を回避する最適な剥離ラインであることを再度、読者に強調する。この正しい層での剥離によって膀胱側への処置は不要となる。膀胱部分切除等が必要となる症例はそもそもの剥離層が誤っている。腹腔鏡の拡大視効果から膿瘍腔をよく見て開放することが重要であることを肝に銘じてほしい。また、骨盤内の直腸剥離に先行して早期に膀胱瘻を剥離すればS状結腸を直線化することができ、後の操作がより快適に行える。この膿瘍腔を開放する操作、ならびに膀胱瘻先行剥離は良性疾患だからこそ行える特徴である。この特徴を理解しプランを事前に練り手術にのぞむことが本疾患の醍醐味であろう。私の経験が後進の外科医、そして結腸膀胱瘻患者さんの一助になることを願ってやまない。
富沢賢治
大腸がんのみならず、大腸憩室症、大腸憩室炎でお悩みの方は、世田谷区、桜新町・用賀の、せたがや内科・消化器クリニックまでご相談ください。